2004年12月31日

[サイエンス] まったくひどいNHKの「地球大進化」

 昨日、夜ふとテレビをつけるとNHKで「地球大進化」という番組があり、人類の進化について触れていた。

http://www.nhk.or.jp/daishinka/program06.html


 科学的妥当性については詳しく批評する知識を私は持ち合わせてはいないが、科学番組としては非常に問題で、北朝鮮の科学番組「北朝鮮から出た人類の祖先。黒葡萄原人」と大差ないのではないか。

 というわけで前半のネアンデルタール人の絶滅までしか見ていないが内容の問題点を指摘しよう。



 CGアニメーション等を用いた映像化を多用していたがこれにより根拠がない推測もリアルに表現してしまっている。・・・日本人はこういうのを見ると大概無批判で信じるのだがよく考えてみよう。


 出土したのは少なくとも番組中では原人と動物の化石+αである。たったこれだけで、何とか原人は毛が薄いとか集団で狩りをしているとか草の根を掘ってたとか全く言えるはずがない。つまり、映像の大半は推測なのだ。だから、科学番組ではむやみに映像化することは強い先入観を与えるので、教育的にも科学の啓蒙、発展のためにも害悪だと私は思う。


 南アフリカで見つかった2種類の原人(共に絶滅)の食糧確保法を今、南アフリカで生きているハザ族の食糧確保法から類推。・・・類推するのはよい。仮説だから。しかし、現代人、ホモ・サピエンスであるハザ族と絶滅した原人には何も因果関係はない。それともハザ族はホモ・サピエンスが登場する前に絶滅した2種類の原人両方から食糧確保の技術を受け継いでいるのであろうか。仮説としてはあるがそれを断定的事実のように扱うのは問題だ。


 食糧危機に際して登場した2種類の原人のうち、パラントロプスは木の根っこを食べてしのいだと説明され、そのために体は頑丈であごが非常に発達(かむ力は現代人の約3倍)ということであったが生存競争を生き抜く理由として木の根っこを食べてという仮説はあまりにもお粗末すぎないか。他の原人は数百万年も飢えても真似をしなかったのか?


 また、彼らのあごが発達するまでには、現代進化論では自然選択により数百万年かかるだろうが、その発達したあごを獲得するまでの数百万年の間、彼らは他の原人に対して何の優位性もなかったのではないのか。つまり、生き残りの理由としては(この仮説が正しいとして)あごが発達したから生き残ったのではなく、根っこを食べたから生き残った(^^;)のであり、あごの発達は単なるその結果にすぎないと考える方が自然である。・・・これは進化論全般における問題である。突然変異による微少な変異の積み重ねが優位な種を生むと言うが微少な変異しか発生していない段階では何ら優位性などないのだ(もし、進化が真実と仮定すれば)。進化はメカニズム的にも化石記録からも漸進的進化とは考えにくい。グールドらが主張しているようにあるきっかけで突発的に飛躍的に進化するという方が進化のメカニズムは不明としても説明や化石記録とは付きやすい。



 北京原人。北京原人は一切の化石記録を含む証拠がない。北京原人は戦時中に発見されたが化石は紛失されたという記録しか残っていないのだ。これを一応化石があるジャワ原人などと同列で説明するのは問題である。


 ホモ・サピエンス(人類)がここまで進化したのは肉食になったからであるという仮説の断定的説明。白人の学者の説だから肉食万歳ということはないのだろうか。この説によると南アフリカの2種の原人のうち生き残った方は肉食で脳がでかかったということを論拠として肉食=脳の容量増大と番組で紹介されている。そして、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスである我々の脳が同程度にでかいから生存競争に勝ち抜いたとされている。しかし、これも肉食との相関関係を十分説明していないので疑問である。また、確かに脳の容量が数倍の差がある場合は優位性があるだろうが、番組では実はネアンデルタール人の方が現代人より脳が大きいのに同じぐらいと説明されている。また、肉食で脳がでかくなって賢くなるならライオンとか虎はなぜ人類なみに賢くならなかったのか。ただ、ネアンデルタール人が絶滅したのはホモ・サピエンスに比べて言語能力が低かったと考えられるという仮説に基づいてホモ・サピエンスに負けたという仮説は面白かった。しかし、言語能力の差が番組で言うように古代の狩猟世界で優位性があったというのはいささか疑問である。


 言い出したらキリがないが、番組の中で事実として出てきたことは南アフリカで出土した原人などわずかな化石だけであとのは98%ぐらいは推論、仮説である。仮にこれらの仮説が番組では触れられていない多くの証拠によって支えられているとしてもそれらの解説より変なおじさんの講釈やうそのアニメーションに時間を取っているようでは無意味だ。科学番組であれば事実と推測を区別することがまず不可欠だし、仮説や推定は事実に基づいて論証しなければいけないであろう。



 結論としては、NHKの科学番組を見ると馬鹿になる。見ないようにしましょう。



[付記1]


 なお、後半を見ていないので何とも言えないがなぜ、言語能力が優れていた(と仮定されている)ホモ・サピエンスは、ルーツが一つであるのにも関わらず、こんなに言葉が違うのか私は不思議に思う。民族は語族と言われたりもするが、英語、日本語の文法の差を取り上げるまでもなく言語的特徴は著しく違う。そう考えると、旧約聖書にあるように元々一つの言語だったのが、創造主によって「意図的に」ばらばらの言語にされたという方が説明として受け入れやすい。



[付記2]


 旧約聖書では明言はされていないが当初の人間は草食であるが途中から(ノアの洪水以降)肉食が許可される。これは元々、草食であったが途中から肉食を始めたという化石研究の結果と一致する。ちなみに、ベジタリアンという人たちがいるように人間は野菜だけで生きられるし、野菜に対するアレルギー反応などは非常に少ないなどを考慮すると、本来、草食がベースというのは事実のように思える。



posted by macwin at 19:07| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評・評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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