2004年10月11日

[政治・社会] なぜ首相の公的な靖国参拝がいけないか。

 自民党の安倍幹事長代理が、自分が首相になったら靖国参拝をするのは当然であり、

「公式かどうかをあまりとやかく言うのはナンセンスだ」

と語ったらしい。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20041011k0000m010036000c.html

 毎度のことながら政治家の非論理性、デタラメぶりには感心する。

学生時代ちゃんと勉強したのだろうか? また、日々物事を勉強しているのだろうか? それとも支持母体を考えると、物事を曲げて言わないといけないのだろうか?

 若手のホープたる政治家がこの体たらくである。

 ここでは、なぜ、首相の公的な靖国参拝がいけないかを簡単に記そう。

 まず、首相が靖国参拝をしていいケースがある。それは、私的参拝である。私的であれば、首相であっても憲法で信仰の自由を保障されているので何人たりともそれを制限することはできない。

 では、靖国問題の争点は何だろうか。

私は大きく分けて争点は次の3つになると考える。

  1. 政府には国のために殉職した人たちを追悼する義務がある。
  2. 憲法は政教分離を定めている。
  3. 中国など諸外国が靖国参拝に対して圧力をかけている(A級戦犯合祀など)。

 これらの争点は、いずれも次元が全く異なるものであるわけだが、従来の議論はこれらの争点をごちゃまぜにして議論されている。次元が違う争点をぶつけ合っても議論は100%絶対に収束しない。よって、これらは一つ一つ区別して考えることが必要である。

  1. 政府には国のために殉職した人たちを追悼する義務がある。
     まず、これはYESだろう。靖国参拝を推す人たちの主たる論拠はここにある。
  2. 憲法は政教分離を定めている。
     これからすると、政府や公的組織の人が公的な立場で靖国参拝をするのは問題である。それが神道の参拝形式か否かというのは全くどうでもいい方便であって、形式に寄らず「公的立場で」参拝するのは憲法違反である。また、小泉首相のように「内閣総理大臣 小泉純一郎」と靖国神社で記帳して役人が「私的参拝です」というのも無茶苦茶である。通常、肩書きを書くと私人ではなく公的な立場(つまり、内閣総理大臣)として来たと見なされる。少なくとも”民間”ではそうだ。もし、上記の記帳をしながら「私人としての参拝である」と主張するなら、肩書きの不適切な利用である。そんなことが許されるなら、警官が私的な用件でも警察手帳を掲示して好き勝手することも許されてしまう。
  3. 中国など諸外国が靖国参拝に対して圧力をかけている(A級戦犯合祀など)。
     これははっきり言って内政干渉であるので扱いは難しいが、考慮に入れる必要は全くない。靖国問題は完全に内政問題であるからだ。
     また、昔、自民党の野中氏が「A級戦犯を分祀」すればよいと主張したことがあるが、これなど中国を気遣うばかりに今度は靖国神社という宗教法人の権利を国家が逆に侵害することになる。なぜなら、中国がどう言おうが政府がどう言おうが、靖国神社は好きな人を祭る権利がある。それを拒否する権利は当事者である本人以外にはないだろう。それを第三者である政府が干渉するのは筋違いもあるがやはり逆の意味で政教分離に反している。
     さらに「分祀」とは神道ではいわゆる株分けみたいなもので、取り除くことを意味しないらしいので、宗教的にも間違っている。
     いずれにせよ、対応方法は考える必要はあるが、諸外国の内政干渉は考慮に入れる必要は全くない。

以上から、実質的に、第2項の「憲法は政教分離を定めている」ことのみが争点だと考えられる。そのため、靖国問題を解決するには以下の方策が考えられる。

  • 憲法を改正する
     どうしても靖国神社を参拝するなら、憲法を改正して、神道、もしくは靖国神社を国教として特別扱いし、それと併せて国民の信仰の自由を保障するべきであろう。
  • 靖国の公的参拝を禁止し、別の無宗教の追悼施設を設ける。
     これは靖国参拝を主張する日本遺族会は反対しているが、その論拠は感情論のように思える(ちなみに平和遺族会という靖国参拝を拒否する遺族会もある)。相当な抵抗があるようだが、憲法を改正しない限り、少なくとも私の少ない頭ではこの方策しかないと思われる。

と言うところだが、もっといい合理的なアイデアがあればどなたか教えて下さると嬉しいです。



posted by macwin at 20:30| 京都 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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