2004年03月09日

[お仕事と問題解決] 正しいことと問題解決 [お仕事と問題解決] 正しいことと問題解決

 鳥インフルエンザを出した養鶏場の会長が自殺したらしい。

 浅田農産の経営者は役所への届け出が遅れたので法などに照らすと正しい対応をしたとは言えないだろう。

 しかし、問題が起こったとき、いつも思うのだが、マスコミや政治家は悪者を見つけると、徹底的に半ば面白がるかのように糾弾する。悪い人を悪いというのは、子供でもできるので誠に知恵がない。そして、悪い人を悪いと糾弾すれば、問題が解決するかというとそれは全く別物である。

 実は、問題解決において正しいか悪いかはほとんど関係ない。

 と言うのは、正しいか悪いかはある共通の基準やルールがあるときにのみ意味をなす概念で、ルール逸脱が本質的な問題である場合についてのみ、正しいか悪いかが問題解決と関連がある。

 分かりやすく例を挙げると「脱税」という問題は、問題の所有者である税務署が脱税している人を摘発し、やめさせることで問題が解決する。

 しかし、浅田農産が悪いと100万回糾弾しても、経営者に厳罰を与えても、鳥インフルエンザの封じ込めとは無関係である。ルール違反に対するペナルティは必要ではあるが、それと問題解決とは別である。

 よって、こういう時に重要なのは、なぜそういう問題が起こったかの真の原因究明と再発防止である。通常、よく調査して原因分析を進めると、表層的な問題の奥に隠れる真の問題が見つかる。そして、この真の問題について手を打てば効果が出るが、表層的な問題に対してのみ手を打つといたちごっこ、モグラ叩きになる公算が極めて大きい。

 と、考えるとこういう時、不適切な経営判断が問題なのだから経営者から真の理由を聞き出すことが最重要課題なのだ。であれば、今回のようにひたすらバッシングして自殺に追い込んでしまうのは全く本末転倒である。

 アメリカなどではこういう場合、その経営者にカウンセラーや監視者を付けて自殺者を防いだり、うまく真相解明に繋がるようにするらしいが、感情論で吊し上げるのでなく、アメリカのように真相解明のために保護すべきだったのだ。

 この経営者は社会的なペナルティはすでに十二分に受けている。よって、後は真相解明後に法的なペナルティをかせばいいのである。

 よって、徹底的にバッシングし、自殺するのは無責任だとさらにバッシングする日本のマスコミは様々な社会問題の解決を阻害していることがあることを自覚すべきである。

 また、別の例として、京都府宇治市の小学校に暴漢が侵入して児童を襲った事件がある。この時も「マニュアルを守らない学校が悪い」「警報装置を使っていなかった学校が悪い」と、正しいか悪いかの議論が中心であった。

 しかし、これも本末転倒である。

 役所から見れば、責任を問われるから正しいか悪いかという議論にして、学校側が悪いというオチにしたい。だが、学校側が役所が決めたことを守っていなかったのは何らかの原因があるのであって、その原因を調査して真の問題に手を付けなければ効果は出にくい。

 にも関わらずマスコミも、役所に同調して学校側を批判し、教育委員会もマニュアルと防犯設備の徹底というまことにバカなお触れを出した。

 新聞報道程度の情報なので詳細は分からないが、私の見るところこの事件の真相は、ルールを守らなかった学校に問題があると言うより、学校の現場の実状や課題を把握することなく、お上から一方的に一律の分厚いマニュアルと防犯設備という箱ものをあてがうというやり方自体が問題解決の方法論として不適切なのだと思う。そんなお仕着せのものを強制して定着する方がおかしい。人間は良いものであってもお仕着せであれば好まないが、自分で選んだり考えたりした者であれば一生懸命使ったり工夫したりする。

 長くなったが、上記の二つの事例は、いずれも政府/役所やマスコミが問題に対して、正しいか否かという二元論的な捉え方に縛られて効果的な問題解決に失敗しているという点で共通していると思う。

 正しいか否かと問題解決は全く別であることに留意しよう。

参考

問題解決について−正論の罪−
http://macwin.info/bible/bible2003.html#Anchor-23522


posted by macwin at 21:26| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事と問題解決 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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