2010年03月15日

勝間和代のクロストーク:3/14「根本病からの脱出を」

 毎日新聞には、毎週日曜日に「勝間和代のクロストーク」という記事がある。

 勝間和代氏は今、売れっ子のようだが、今まで、勝間氏の文章をいくつか読んでみた範囲では、何が言いたいのかよく分からなかったり、教科書の丸写しみたいな空虚な話しが並んでたりで、論評に値しないため、特にコメントもしてこなかったし、普段は、読むこともない。

 しかし、今回、たまには読んでみようと思って読んだのだが、あまりにもどうかと思うので、一度は書いてみる。

 さて、3/14の記事「根本病からの脱出を」だが、中身は全くないので読む価値はない。

 そのことについて、具体的な指摘ポイントが多すぎて困るのだが、今回、具体的に指摘させていただく。

 まず、冒頭で今回の主旨が語られています。

今回の提案は「根本病からの脱出を図ろう」です。具体的には、問題解決にあたって、「構造改革」「内需拡大」「財政再建」などのビッグワードをなるべく避け、解決可能な狭い範囲で政策議論、実行をしよう、というものです。


 実は、この後の文章で、これ以上のことはほぼ何も語られていません。

 次に、根本病の定義が説明されます。

2・26事件の後、石原湛山は「日本人は・・・根本問題が解決しなければ何をやっても解決しない、あるいは、根本問題の改革のためには気候の打破や変改がすべてだと考えがちである」と指摘し、これを「根本病」と名付けました。(中略)根本病は今も完治していません。


 この「根本病」が今回の記事のベースとなる部分ですが、以下の問題があります。

・こんな戦前のあらっぽい定義の言葉をベースに議論を展開するのか?
 今時、こんな十把一絡げの「日本人論」が普遍的に意味をなすと考えているのか?

・根本病が「完治していません」といきなり断定。
 断定する客観的根拠は何一つ具体的に提示されず、勝間氏の個人的経験談のみが根拠。

 議論の基礎となる前提条件が不確実なまま議論を進めるのは無意味です。まずは、基礎を論証しないといけません。

 と言うわけで、この文章はこれ以上読む価値はありません。いつもなら、ここで読むのをやめますが読み進めます。

 その後は、ビジネスコンサルという極めてレアな実務面の事例から「提案は具体的に」ということが語られます。
 提案を具体的にというのは全くその通りの正しい指摘ですが、端的に言えば、

「そんなの当たり前」

 です。

 これは、読者に分かり易くかみ砕いて書こうとされているんでしょうが、こどもの成績とか、家計のやりくりのような身近な事例にすれば分かり易いのに、コンサル業務のようなレアな事例を使うから、当たり前のことが余計に伝わず、長々とコンサルの実例を説明することになるのです。

 そして、最後の結論部分。これが発散しまくりです。どう論評したらいいんでしょうか。

結論「らしきもの」が3つあります。

1.「個別具体的な政策の塊」について、議論すべきという主旨。
 そうなんですが、これは冒頭ですでに述べられたことの繰り返しに過ぎません。
 新たに書かれているのは、例として、
「インフレターゲットを1%にすべきか、3%にすべきか」
「日銀買い取り対象を3ヶ月までのCPか、長期国債までか」

 
を示しているだけで、それらに関して、なんら具体的な議論に入っていない。この例示に勝間氏ならではの何らかの新規性があるのでしょうか?

 つまり、ここで、個別具体論の議論をしないのなら、この記事は冒頭の「8行」で終わって良かったわけです。冒頭の主旨で展開するなら個別具体論の議論、論証に入らないと無意味で付加価値がない。


2.構造改革ということばを否定しながら、構造改革の必要性を訴える自己矛盾。

 内需拡大や構造改革でも、本当に必要なことは大規模な産業政策や公的融資の拡充ではありません。既得権益を排除し、新陳代謝が進むよう市場をきちんと機能させることです。(中略)障害となっている規制を取り除き、不合理的な既得権益には逆に新たな規制を課していくのです。
 

 それって、何ら具体性のないそのまんま従来の「構造改革」の一般論的説明

・・・じゃないでしょうか?

 自分でこの自己矛盾に気付かないというのが、恐ろしい。新聞の編集は指摘しないのでしょうか?

3.最後に「少しずつでも具体的に実現可能な項目を進めよう」という主旨。
 それは分かるが、

根本病について、どのように考えているのか、そして、日本社会の新陳代謝を促すにはどのようなやり方が有効なのか。ご意見、お待ちしています。


 根本病というのを今、あいまいに聞いただけなのにどのように考えているのかと言われても・・・。

 また、結局、結論は、ご意見、お待ちしています。ですか。



 勝間氏ならではの付加価値はないのですか?



というわけで、この記事は、

何の具体的な提言もしてない

わけです。

 素人の私が言うのも何ですが、恐らく勝間氏は経済の素人です。

 私は、製造業で、今まで多くのコンサルと関わってきました。

 あくまでも一般論ですが、色んなことを主張しても具体論がない(つまり現場を見ない)コンサルタントに付き合うと、情報収集に付き合わされて時間ばかりすぎ、何の成果もないというのがお決まりのパターンです。

 勝間氏ご本人は自覚されていないようですが、具体論の重要性を主張する文章で具体論ができないというのは、ちょっとすごいです。

 また、これも一般論ですが、日本語力が足りない人は優秀な仕事は難しいし、特にコンサルのような仕事で確実な成果を出すのは無理があるように思います。まぁ、コンサルははったりも重要ですが。

 以上から、私の伝えたい結論。

勝間氏の文章を読んだり、関わったりしても、益になることは少なく、時間の無駄になる可能性が高い。

ということです。


 こういう人は世の中一杯いるけど、マスメディアで多くの人が影響を受ける状況では、批判せざるを得ないと思いました。
posted by macwin at 21:52| 京都 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネスと経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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